女王蜂 単独公演「FLAT」 10.16 中野サンプラザ

初めて女王蜂を観た。
あまりにも正しく狂ったエンターテインメントだった。

以下はMCの覚え書き。

「女王蜂ってハマったときが出逢いやと思ってるから」
「いつも新鮮な気持ちでやってる
ーあっ催眠術のMV見た??見た?やばくない??
いつもやりたいほうだいやってるんですけど、衣装も」

「私らいっつも頭の先からつま先までおしゃれしてるけどライブハウスだとなっかなかね!見えへん、こうせえへんと見えへん笑(足上げる)
やっとみんなに全身見てもらえて嬉しい!
お客さんもおしゃれして来てくれる人が多くて…今日も平日なのにねえ、ありがとう」

「パーソナルスペースがあるっていいでしょ?
ずっーっとみんなに用意したかった!この60センチ四方の空間を!」

「ライブハウス時代からずっとやってきて、やっといろんな人に見てもらえるようになった?かな?
もうみんながね、古参ぶってジュリ扇はまあこの位置で振るのがいいよ?とか手首もうちょっと柔らかいほうがいいよ?とか言えるようにやっていきたいと思います」

「ほんっとおばあちゃんの家みたいな匂いのするライブハウスとか…楽屋?え?楽屋とは? #(ハッシュタグ)楽屋とは?みたいな
そういうライブハウスでずっとやってきて、ここまでくることができました」

「ホールだとね、狙い打ちしやすいから❤
まだまだブチ上がれる?踊れる?」

「じゃ、夜な感じにお付き合いください」

(アンコール明け)
「すてき〜❤
二階も照らせる?二階の人見たい!
めっちゃおるやん!!すてき!」

「ずっとホールでやりたかった曲をやります 私が17歳のときに作った曲です」
⇒燃える海

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鉄壁で始まったのが本当に印象的だった。階段上でライティングされ静かに力強く歌い上げる姿は今まで見たことがない空気のフロントマンだった。
性別という壁を壊した強烈なポップアイコンとしてあまりにも最高で、男か女かそれ以外かなんてこんなに「どうでもいい」ことだったか、と、そこに理屈はひとつも必要ないのだとハッとさせられた。

とりわけ凄まじかったのが夜な感じにお付き合いください、と始まった一連の曲たち。

アヴェ・マリア
告げ口
かごめかごめ~
~狂っている分かっている
Q 
雛市

告げ口の後だったか、マイクの落ちる音と静寂が。
後ろの正面だあれ――狂っている分かっている――と繰り返された後Qへ。母さん譲りの泣き顔、と穏やかな笑顔で終わり、
雛市は元々の歌詞で歌われた。僕は一晩三万円、僕は一晩十万円、注射は一本三万円。
このあとの拍手を許さない静寂。
そしてそのまま、タイトルにもなっているFLATへ。階段の上へ上がり、足を組んだり身を傾けたり。
一曲一曲のパフォーマンスは言わずもがな、ここのパートだけまるで同じ主人公が岐路に立ってはどこかに身を振っていく様を見ているような、
長い物語を見つめたような気持ちになった。後ろの正面「だあれ」も「狂っている?分かっている」もその主人公が自分に言い聞かせたことみたいで。

デビュー10年足らずで、別々の曲を繋げてここまで圧倒的な流れ、物語をステージの上に作り上げるとは思っていなかった。
踊れる曲と、アヴちゃんの今までを匂わせるような悲しみと強さの同居したバラードのイメージが強くて。今回はホール公演だからこそ魅せる要素、空気もきっと強かったのだろうとは思うけれど、あまりにも素晴らしかった。

このライブを見た週末に、再び女王蜂を見ることができた。渋谷でのフリーライブイベント。
渋谷のど真ん中、109の真ん前で、最後の「告げ口」で場を震わせ、続きはまた今度、と去って行った彼らにもうこれ以上ないほど惚れてしまったし、11月に入ってFC限定公演を生中継するというので、いつの間にかFCにも入っていた。
年内はもう観れる機会はないのだけれども、また来年、女王蜂を観に行くのがとても楽しみ。ジュリ扇買っておかなくちゃね!